江口 彰 Laboratory

分野は、“教育” “映画” “まちづくり”。次世代への取組みを分かりやすく考えてみる。

4月という時期

Posted on | 4月 15, 2013 | 4月という時期 はコメントを受け付けていません。

毎年4月というのは、入学式が行われ新しい生活に参加してくる1年生がいたり、進級して先輩になったり、就職活動の結果がでたり、焦りはじめたり、頼りになった先輩が卒業して自分が担わなくなったり、など様々な状況が変化する月です。

毎年何気なく進んでいた時間が、今年は何やら細かいことを気にするようになりました。それは、いつもより多くの学生と関わるようになり、コミュニケーションの時間がかなりアップされたように思うことなのですが、さらに内容・種類の変化、立場の変化に戸惑いを感じながらも成長の片鱗がみられること、またその逆に落ち込むことなど、目につくようになってきたからです。

自分の生活空間が変化することは、ストレスを多少なりとも感じるものだと思います。多くの人は、それに向き合うだけの余裕がまだありません。それが馴染むのもGWが終った頃でしょう。GWまで引きずっていると、いわゆる5月病となってしまいます。

カタリバのような活動で現れる学生で、比較的頻繁に顔を出す人たちは、毎日のように人と多く会い、話をする時間が多く、忙しい人が多いのが特徴です。そのようななかで、一人でいる時間を確保してみることを促したり、本を読むことを進めていたり、なるべく人に会わない、行動しないで立ち止まる。そのようなことをアドバイスする人も多くなったような気がします。

今の若者問題で、もっとアクティブに行動して、見識を深めて、といったアドバイスとは逆行していると思うのですが、それだけ学生内でも意識格差があるということなのかもしれません。

状況の変化をうまく活用して自己成長に繋げていける、そのような人ばかりではありません。就活の結果が思わしくなく、だんだん落ち込む学生も現れます。また先輩の担ってきた負担が、ぐっと肩にかかってくるといったプレッシャーへの対策で悩む人も現れます。メンタル的なケアなのか、むしろコンサルテーションのように方法論を考えていくのか、アドバイスをすべきなのか、様々な対応が必要なことも比較的多くなってきました。

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これから毎年、4月という変化が多く起る月をうまく乗り越え、年度スタートとして上手に歩み出せる体制作りの必要性を感じはじめてきました。これはカタリバの活動を通じて感じることなのですが、学生全般にいえることだと感じますし、一般の人にもいえることだと思います。特に年度切り替えで状況が変わる人は、例えば、プロ野球の春キャンプから開幕戦へのコンディションづくりのような、準備がもっと必要なのかもしれません。

新大学生へ「パソコンは持ち歩くもの」

Posted on | 1月 21, 2013 | 新大学生へ「パソコンは持ち歩くもの」 はコメントを受け付けていません。

 昨日センター試験が実施され、4月から大学生になるための本格的な受験シーズンになりました。ここ数年、大学生の生活スタイルもかなり変化して、大学・アルバイト・サークルだけの生活から、インターンシップ・留学・ボランティア・課外活動など変容してきて、より複雑になってきています。社会人になってから社内教育で育成される機会が失われつつあるなかで、かつてのスタイルで4年間を過ごしていると、かなり厳しい状況になってしまう可能性が高まっています。

 新1年生に毎年数十人に出会い、活動に加わる人もたくさんみてきましたが、一つ懸念していることが毎年起こります。それは手元にあるマシン(PC)が重たいということです。アクティブに活動しはじめると、だいたいの学生はパソコンを持ち歩くようになるのですが、大学1年生の初期に多くの大学生はA4サイズのノートパソコンを購入します。重量は3キロや4キロのものが主流で、持ち運びが不便なものばかり。これは大学生協や量販店が一人暮らしセットや、価格とスペックの費用対効果が優れていると勧められているためです。スペックがやや低くても、持ち歩いてどこでも使用するというモバイルの必要性を大学1年になる3〜4月に気がついてないために、大学入学してまもなく、しまった、と思う学生は少なからず多くいます。

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 プロジェクトや創作系の大学学部ではiPadなども使われている時代になりました。このような大学は購入時に持ち歩く特性を説明したりしますが、昔ながらの大学学部に入学した学生はアドバイスを受け、気がつく機会がありません。数年前よりも少なくなってきたようですが、それでもまだ多くの学生がA4サイズを購入します。

 家庭の環境に余裕のない状況が増えているときに、最初に購入するPCが持ち歩き困難であるのはたいへん残念な買い物です。買い替えるにしてもかなり厳しい人もいますので、4年間重量級のノートパソコンと一緒にいることがほとんどです。ですから、なるべくB5サイズ以下で2キロぐらいのものを購入するか、ウルトラブックをお勧めします。

 メールができ、ワード・エクセル・パワーポイントが搭載されていれば、当面は問題ないでしょう。留学やボランティア・課外活動等でも大活躍するでしょう。メールやOfficeのようなソフトを使いこなして社会人になるのは必須になってきている社会です。これらを鍛えられる場は、現在のところ大学の授業よりボランティアや課外活動などの状況に埋め込まれていることがほとんどです。毎日のように持ち歩いて使用頻度を増やし、充実した学生生活を送ってもらいたいと思います。

教員がもっといきいきと働けるように

Posted on | 12月 25, 2012 | 教員がもっといきいきと働けるように はコメントを受け付けていません。

学校で働くことをもっと魅力的な職業にしなければならない。そんなことを考えてしまう記事が目についたので、少し書こうと思いました。

(毎日新聞)
休職教員:「心の病」5274人 11年度公立校、高水準続く−−文科省調査
休職教員:「心の病」 仕事量増加、同僚の支えなく 現場、ゆとり失う
(読売新聞)
管理職向かない…一般教員へ降格申し出216人

子どもたちの問題について、教員の心の病気が関係している可能性は高い。若者問題について色々語られる原因は複雑にあり様々な仮説がある。

「昔も同じような問題があったが、情報通信技術の発達でそれが発信されるようになったから」といった話しから、「家族や地域での人との関わりの時間がへり、精神的に安定しにくくなった」など、はっきりと言いにくいことも多い。ただし、子どもは大人たちのつくった生活環境に影響される。教員の心の病気が多いということは、確実に学校現場で問題が起こる可能性が高まることを意味する。

教員の心の病気が多くなってきている背景も、子どもたちのそれと似たようなものがあるだろう。子どもたちが先生世代になってきたという世代間の移り変わりも含めて、学校組織や教育界の環境変化。外の世界(経済・地域・家族)の変化に対応することがうまくいかないことなど。

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教師を目指している学生が教育実習にいってくると先生になることを辞めたという学生が最近増えてきたように思う。それは職員室等の雰囲気(組織文化)がよくないという印象が原因だったりする。だから、教師の心の病気が増えている遠因もなんとなくわかる。記事によると「学級を一人で受け持ち、保護者との関係の悩みなどを同僚や上司に相談しにくい状況が依然あるのではないか」という側面もあるだろうが、それだけではないだろう。昨日たまたま読んでいた『組織文化とリーダーシップ』(白桃書房)から考えると、組織文化の基礎的な前提条件への深い観察からアプローチが必須だと思う。管理職となる人たちのリーダーシップが非常に重要であるのだが、このシステムも崩壊しかかっているから、ことは深刻だ。

一方で、視察者が世界中から絶えず集まっているフィンランドの教師のステータスは高い。人気職業としてよき人材が集まる。学習内容等カリキュラムに視点が向くことが多いが、教員がいきいきと働く環境が整っているからこそパフォーマンスの高い現場を作れる。

先日は高校の進路指導の先生の集まりにもお呼び頂いた。学校を訪問して先生と打ち合わせする機会もたくさん増えてきた。明日も某学校を訪問する。カタリバをやっていて、その効果は生徒や学生のみならず先生にもいい影響(効果)を与えている手応えがある。カタリバを実施する意味は、思った以上に広く、教員側にも可能性があるかもしれない。

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