江口 彰 Laboratory

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山登りの経験は災害対策に役に立つ

Posted on | 5月 3, 2015 | 山登りの経験は災害対策に役に立つ はコメントを受け付けていません。

山に登り始めるきっかけに東日本の震災がありました。特に原発などの問題は自然環境破壊の規模が大きく広がっていくものです。綺麗な自然に触れることは、だんだんと厳しい現実になってきたわけで、そういったものにもっと触れておかないとダメだと思ったものでした。

結果、山に登り始めて触れる機会を作りながら、道具をコツコツ揃えていくのですが、これらの道具(ギア)を買え揃えていくことが災害に対して耐久的な生活スタイルを確立されていくことと、ほぼ同義になっていくことになります。

山岳グッツの素晴らしいところは、インフラが止まってしまっても活動できるものが揃うことです。野山には電気や水道、ガスがないわけですから、当たり前といえば当たり前の話です。寒くても耐久性や保温性が高いウエアもあれば、暑くても過ごしやすいもの、汗がすぐ乾く速乾性の高いもの、悪路でも歩けるトレッキングシューズ、お湯も沸かせるし、一般的な非常食は登山で携行食や通常の食料としてザックの中に入れていくものです。最近は簡易ソーラーパネルのグッツもあって、野山でも携帯電話を充電できるものまで揃っています。特に山の中でテン泊(テントを張って泊まる)する場合は、アルファー米など持って行きますから、普段から自宅に備蓄してある生活になります。

災害はいつ起こるかわからないですが、非常食などの耐用年数は2〜5年程度です。何も使わないでおくことも多いものでしょうし、時々山に登っていれば消費してまた買い足してとそれなりのサイクルが保つことができるので、非常食管理にはもってこいともいえるのです。

また、山登りの経験も災害の耐用スキルにも繋がっていきます。はじめて山に連れて行く人に特に多い傾向として、すぐに水や食料を消費してしまうという行為が目立ちます。山の中に入ると水や食料は手に入りませんから、登りはじめて1キロも満たない状態で、持ってきた水の半分も使ってしまうとすぐにガス欠になり、目的地まで行って帰ってくることができなくなります。またトイレもありません。最初に張り切りすぎて一気に疲れて動けなくなる人もいます。コンビニでどこでもすぐ買える生活に慣れてしまっていると、ついつい後先考えずに消費してしまいますから、こういった普段の何気ない生活を見つめ直すには、丁度良い経験といえると考えられるのです。事前に伝えたとしても、実際行ってみて気がつくという人もいます。ついつい行動に出てしまうのでしょう。ですから経験することが大変重要だと思うのです。

山登りは、一般的には環境教育などの類で「自然の大切さを学びましょう」というイメージがつきものだと思いますが、災害に強い生活スタイルを確立するためにも役立つと思いますし、何より有酸素運動として優れているといえますので、まさに一石二鳥にも三鳥にもなると考えて良いかと思います。

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