江口 彰 Laboratory

分野は、“教育” “映画” “まちづくり”。次世代への取組みを分かりやすく考えてみる。

プロとアマの融合作品

Posted on | 2月 16, 2011 | プロとアマの融合作品 はコメントを受け付けていません。

「温故知新音楽劇」今年6回目を迎えた地域の人々と作り上げる住民劇が先日札幌公演を終えました。「旗ヲ出スベカラズ〜琴似フラグステーション」と題した今回の脚本は、琴似駅にまつわる明治時代のお話です。(詳細はこちら

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数日間密着取材のため、このプロジェクトの趣旨や活動経緯を間近で接することができ、自身がプロデュースしている北海道大学での短編映画企画と多くの共通点を発見することができました。両企画とも、普段全く関わることのない素人の参加があること、プロと呼ばれるその道に通じた人が多く関わっていること、そして作品が出来上がることです。大きな学びや気づき、きっかけなども結果として得られることもできます。

コンカリーニョプロデュースの住民劇は、琴似地区に限定した歴史的検証をしつつお話をつくり、地域の人がはじめて舞台に立つといった要素を取り入れ、演出、音響、照明はプロの人たちで構成され、札幌で活躍中の役者の共演も融合したスタイルです。今回は3回公演ともほぼ満員状態でした。

北海道大学の短編映画も、北海道大学キャンパスを中心とした場所に特化し、学生がはじめて映画に出演するといった機会をつくり、札幌の役者にも参加していただいて、監督やカメラマン、照明、音響、編集等はプロスタッフで構成されています。前作は、北海道大学の歴史の一端でもある中谷宇吉郎先生の研究にスポットをあてました。

この2つの現象をつぶさに見てきて、作品の完成といった共通目的に対して、プロアマ問わず全力で取りかかるそのプロセスは、多くの人を引き込む要素を生み出している動力源があると思います。作る側には感動体験があり、観客側には新たな感覚がある。特に、自分の住んでいる地域や所属している大学への発見が何ともうれしい気分にさせてくれる。そして素人とも思えないクオリティの高さがあり、それが身近に感じられる。友人知人がでているから行ってみよう、という動機付けなどがあります。舞台や映画が普段遠い世界の人にとっては、インパクトがある状況なのだと思います。

今様々な体験型学習やインターンシップなどありますが、質の高い作品としてのアウトプットを生み出すスタイルはそう多くありません。しかも観客との対話の場面がある演劇や映画作品には、その学習や地域に与える効果・影響を強く感じます。地方に行くと機会が稀にあると聞きます。都市型スタイルは珍しいとのことで、この一連の活動についてもっと注目すべき要素が多いように思いました。今後もう少しこれらの現象を調査研究・企画プロデュースしてみたいと思います。

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